上用賀便り

スピリチュアルヒーラー寺尾夫美子が綴る/フムアルフートスピリチュアルスクールと上用賀

【ジュリーの想い出シリーズ:3】ジュリーを呼び出して

kamiyogadayori2009-02-19

1月以来久々に、皆さんお待ちかね(?)のジュリーネタです。

学校帰りの楽屋訪問は、一週間が経ち、いよいよ日曜日。やっとコンサートが見られる日になりました。
いつものお友達が行けないので、一緒に行きたいと言ってきた子と行きました。この子はSちゃん。一年下の子でしたが、いつも一緒にいた友達の妹分で、私達が毎日タイガースに会っていると知って、連れてって欲しいと頼まれたのです。
当時の労音のチケットは、600円位だったでしょうか。お小遣いで、なんとか買える価格だったと思います。1階の半ばくらいの席で、舞台に向かって左の方。短いコンサートが始まりました。
まだグループサウンズのブームが始まったばかりの頃ですから、席で騒いだり、叫び声を上げたりする人もなく、皆さん押し黙って着席しています。
タイガースは始まって直ぐに出番でした。黒のビロードのスーツに、大きめのおリボン型の蝶ネクタイを締め、それまでのバンドとは違った、「王子様」路線の出で立ちです。
色白のジュリーには、黒のビロードがよく似合って、確かに、貴公子のような品がありました。
さて、コンサートの中盤で、右の方の席から「ジュリ〜〜〜〜!!」とかけ声が上がりました。するとジュリーが、「は〜い」なんちゃって応え、我らはちょー驚きです。
そう言うことならと、勇気を振り絞って二人で声を合わせ、右に負けじと「ジュリ〜〜〜〜〜!!」と叫びました。・・・・が、!!お返事なし!
ええ〜〜〜!!どうしてぇぇ〜〜!!ショックで淋しくて、子供の頃のことですから、我が儘ジェラシー炸裂です。
休憩に入りました。後半タイガースは出ません。夜の部までお休みです。
会場に設置してあった公衆電話に飛びつき、どうして知っていたのか楽屋に電話し、ジュリーを呼び出して、開口一番「ジュリーって呼んだのに、どうして返事をくれないの〜〜〜!!」。
それで、今から直ぐに楽屋口へ行くから、出てくるように!!などと高ビーな言い方ではなく、(殆ど高ビーに、しかもかなり噛みついていたと思います)、「出てきてねーー!!」と、お願いをして、楽屋口へ行きました。
いつもなら直ぐに出てきてくれるジュリーがなかなか出てきません。多分、出番が終わった直後でしたから、お着替えをしていたのだと思いますが、待ちきれません。ドアを開けて、受付の人に「沢田さん、まだですか?」。
呼ばれて出てきたジュリーは、いつもの調子であんまりしゃべりませんが、取りあえず私の質問(ほぼ詰問)に答えて、「どの辺にいてた〜ん?」。「呼んでたん?」、「分からんかったわ・・・」と。
きっと私は、いつになく強い口調で、舞台から見てこの辺で、どの曲のあたりでジュリーって言ったとか、その後知らん顔したとか、あーだこーだと訴えたのです。当時ジュリーは18才とは言え、とっても年上のお兄さんですから、ちびっ子の私達が言うことにいちいち反応しているわけでなく、はいはい分かりました〜って感じだったと思いますが、ジュリーは受け止めてくれていました。
ま、何より、出てきてくれたので、一応きげんを直し・・・。いつもの調子で、ジュリーの『身辺調査』的会話。
Q:体重は何キロですか?
A:52キロ・・・、(Sちゃんに向かって)自分、僕より重いんちゃう??
その子が、きゃ〜知らない!っと答えると、めったに笑わないジュリーが、ニタ〜っと不遜な笑みを浮かべ、面白がっているようでした。
そうこうするうちに、小雨が降り出し、持ってた折りたたみ傘を広げ、3人で相合い傘に。
Sちゃんは、ジュリーの神経質な面とか、無口だとか知らないので、好き勝手にしゃべります。私は緊張しながら、余計なことを言わないかとか、出過ぎた態度にならないかとか、はらはらしていました。
ジュリーは自分からは何も言わないので、殆どSちゃんがしゃべりまくっていました。私とジュリーは、Sちゃんが、ネタフリから落ちまで話しをまとめているのを、圧倒されながら見ていたと言う感じです。
小雨のせいで、だんだん寒くなってきました。薄着のまま出てきてくれたジュリーが、寒そうにし始めました。ひとつの傘の中で、下を向いて、ひょっとしたら“こいつら、いつになったら気が済むんじゃ〜〜!!”って思っていたかも知れません。
私は、ジュリーに悪いなと思い始め、Sちゃんの話しが一段落したところで、「もう寒いから楽屋に入って。ありがとう、ジュリー。」と言って、帰ることにしました。
帰り道、Sちゃんは、大喜び。私は、“この子二度と誘わないでおこう・・・”と考えながら帰ったのを覚えています。
あの頃の私はあまりに子供で、ジュリーが返事をしてくれないと言うだけで、いっぱいいっぱいになったのですが、いつも気を遣いまくっていたジュリーに対して、どうしてあの時は、大変強力な態度で臨めたのか。大人になってからも、不思議に思えていました。
最近になって、ジュリー友達もできて、あれこれと話しているうちに分かったことがあります。それは、ジュリーに大事にしてもらえていると感じていたこと。
そもそも、初めて電話したとき、楽屋口に出てきてくれたこと。毎日、明日も来るからと伝えると、その時間頃には出てきてくれたこと。殆ど無言だったけど、そばにいさせてくれたこと。ファンを大事にする人なんだと、子供ながらに感じていたのだと思うのです。
だから、ステージで声援に応えなかったことは、ジュリーの方に「落ち度がある」と、思い込めたのだと思うのです。そう、落ち度などと、思い込みには違いないのですが、自覚が無くても大事にされていると感じていたから、確かに受け止めてもらえると信じていたのだと思うのです。
あれから、もう40年。私も大変いい年になって振り返ってみると、ジュリーはとてもファンを大事にしていた、一人ひとりを大切に見ていた、芸能人とファンの関係だけでない、人としての何か心の通い合いがあったと思えるのです。
そんなジュリーは、“じじい”になっても、今もファンを大切にしています。あのときと同じ、性格も考え方も、ずっと貫いている何かがあるのです。器用な人ではないけれど、一生懸命に生きている、健気な魂を見つけるのでした。
また来週、ライブがあります。抽選で外れ手に入らなかったチケットを、譲ってくれる奇特な方に出会いました。
しかも、1階の前の方の席。ひぇ〜、凄い!
目が合うぞ!見つめられるぞ! キャーーー!!ジュリ〜〜〜〜〜!!
(妄想力、フル稼働中)
合掌。



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