上用賀便り

スピリチュアルヒーラー寺尾夫美子が綴る/フムアルフートスピリチュアルスクールと上用賀

3.11を振り返る>その5

kamiyogadayori2012-03-10

避難していた大阪から帰京したのは、3月24日木曜日でした。
それからの3ヶ月、私達は窓という窓を一度も開けず、洗濯物も布団も外に干さず、外から持ち込む物は総て外ではたき、濡れティッシュで拭き取り、着衣は総て洗い・・・・。
家の中に放射性物質が入り込むのを防御することに専念して暮らしました。
水の汚染が広がったときには、スーパーやコンビニからお水が消えていたので、ネットであちこちを探して購入していました。
水道を使えなくなって初めて知ったことは、日常生活でいかにたくさんの水を使っていたかと言うことでした。
調理は、もの凄く大変でした。
野菜を洗う、茹で物をする、調理に使う・・など、ペットボトルの水は、毎日ポンポンと空になっていきます。
どんなに節約しても、飲むものと合わせると、毎日5〜6リットルを使っていました。
震災を体験する前までの防災備蓄では、せいぜい2リットルボトルを半ダースも用意していればいいような感覚でいました。
実際、防災用には、5年持つペットボトルが、3〜4本用意していただけでした。
また、保存食として備蓄していた中で、一番たくさんあったのは、乾麺類です。
乾麺は、茹でる水を使い、茹で上がったら洗うために水を使い、ペットボトルで使っていると、もの凄くもったいない使い方になっていることを実感しました。
茹でる麺類は備蓄に向かない。
お米も、洗ったりする余裕はないので、備蓄するなら無洗米です。
いかにお水を無駄に使わないで調理をするか、震災のお陰で学びました。
それから、計画停電が続きました。
世田谷区は、都内免除区域のため、とうとう一度も停電することはありませんでしたが、停電に遭遇した友人は大変でした。
実際、私達も、停電に備え、冷蔵庫に保冷剤をしこたま入れて、冷凍食品は買い置きしないようにしました。
そこで分かったのは、それまで非常食として、予備の冷凍食品を常に備蓄していたのですが、停電するとなると、これが役に立たなくなると言うことです。
これで、備蓄食品の選択範囲が狭まりました。
ライフラインが止まることは、非常時には当然起こりうることですから、体験したことのない人間とは、いかに無知蒙昧であるかが分かりました。
非常食は、そのままで食べられる物。
ライフラインが止まり、流通が機能しなくなったときのために備蓄するのは、缶詰やレトルト食品に限るのです。
ある程度のエネルギーが復旧したら、加熱調理も可能になりますから、保存のきく乾麺やパスタなどもいいでしょう。お米は、無洗米を真空パックで保存し、定期的に食べ回していくこと。
そうやって、震災後の数ヶ月で、殆どの備蓄を完了しました。
お水は、夏前には買いやすくなっていて、その段階で数ダースを購入し、それ以降、常に新しい物を買い足して順繰りで使っています。
避難用リュックは、見直してみると、震災前に用意した内容は、とてもお粗末なものでした。
中味を現実味のあるものに入れ替え、これも定期的に水と非常食を入れ替えて、いつでも持ち出せるようにしました。
マスクは、SARSのときに備蓄したタイプを、順次買い足して、備蓄しています。
マスクも、放射性物質の飛散が起こってみると、毎日使い変えて行くので、結構な量が必要だと分かりました。
何もかも、それまで準備していたものなど、現実味がなく、実際にはたいした役にもたたない程度の物ばかりだと分かりました。
備蓄には、結構な費用もかかるので、余裕のあるときに少しずつ、色々な側面から揃えるのがいいと思います。
決して侮らず、しっかり準備しておきましょう。
賞味期限のある食品は、定期的に入れ替えたり買い替えたりしなければなりませんが、このくらいのことは当たり前の習慣にして、各人が、各家庭で、準備しておくべきだと思います。
さて、明日は、その大きな体験をした日。
世界が、それまでとそれ以降と、進む道が大きく変わった日です。
私達は、そんな大きな時代に、魂の同意の下、生まれてきた人間です。
これから、3.11に教えてもらったことを、どうやって生きて現すのか、魂の質が問われる時代へ進みます。
私が、この日に思うことは、止められた悲劇を止められなかった反省と、二度と起こさないためのアクションを起こすこと。
これからの日常は、その方向を向いて、原因を根本から改善するために、自分にできることを粛々と行うこと。
人それぞれの、3.11からの学びがあり、人それぞれのやり方があります。
誰もが無理せず、自分の身丈にあったことを、出来る範囲で行うこと。
できれば、ずっと続けること。
何をやっても、心に清らかな思いがしっかりと保たれていれば、それで良いのだと思います。
明日、一日を、人類の未来のために、祈りを捧げたいと思います。
合掌。